8ビットマイクロコントローラーでのウェブサイトホスティング
この記事は、8ビットのAVRマイクロコントローラーを使用してウェブサイトをホストする挑戦を紹介しています。
通常のイーサネットはAVRの処理速度に対して速すぎるため、記事の筆者はSLIPプロトコルを介したシリアル通信をインターネット接続の代替手段として採用しました。
IPパケットの生成は容易でしたが、接続状態の追跡が必要なTCPプロトコルの実装には数日を要しました。
最終的に、MCUに直接公開IPを持たせることは難しいため、リモートのVPSサーバーをプロキシとして利用し、特定のURLパス経由でのアクセスを可能にすることで、サイトへの公開を実現しています。
8ビットマイコン(MCU)でウェブサイトをホストするという、一見するとSFのような試みが実現しました。開発者は、Arduinoで有名なAtmega328に似たAVR64DD32というマイコンを使い、非常にシンプルな環境でウェブサーバーを動かしています。本記事では、この挑戦の技術的な背景と、実現に至るまでの工夫を解説します。
超低コストなマイコンの選定
今回のプロジェクトで使われたのは、AVR64DD32という8ビットマイコンです。これは、Arduinoで広く使われるAtmega328と類似したチップです。このマイコンは、CPUが8ビット、RAMが8KB、フラッシュメモリが64KBというスペックを持ちながら、コストがわずか1ドルという非常に安価な点が特徴です。従来のAVRシリーズと比較して、同等のメモリ容量で安価であり、プログラミングピンが一つで済むなど、開発のしやすさも考慮されています。この低消費電力なマイコンが、ウェブサーバーの核となっています。
シリアル通信によるインターネット接続
ウェブサイトをホストするにはインターネット接続が必須ですが、マイコンの処理能力では一般的なイーサネット(10BASE-T)の速度に対応できません。そこで開発者は、古い規格であるSLIP(Serial Line Internet Protocol)を利用しました。SLIPは、シリアル通信を通じてネットワークを構築するための非常にシンプルなプロトコルです。これはかつてダイヤルアップモデムが電話回線でインターネットに接続していた時代に使われていた技術であり、現代のLinuxでもサポートされています。この方法により、マイコンは外部のシリアルアダプタを経由してインターネットに接続することが可能になりました。
TCP/IPスタックのカスタム実装
インターネット通信にはIP(インターネットプロトコル)やTCP(トランスポートコントロールプロトコル)といった複雑なプロトコルが必要です。開発者は、IPヘッダの生成や、パケットの転送といった基本的なIP処理は自力で実装しました。特に、接続状態の追跡やパケットの再送といった複雑な機能を持つTCPは、数日かけてカスタム実装を試みたとのことです。ただし、HTTPサーバー自体は、単一のURLに固定された応答を返すという非常にシンプルな形で実装されており、複雑な機能は省略されています。
外部ネットワークとの連携方法
マイコンがインターネットに接続できても、外部のユーザーにアクセスしてもらうには、パブリックIPアドレスが必要です。しかし、マイコン自体は一般的にパブリックIPアドレスを持てません。開発者は、ホークスアイ(Helsinki)のデータセンターにあるパブリックIPアドレスを持つ別のマシンを利用し、WireGuardという技術で仮想ネットワークを構築しました。さらに、マイコンのサーバーをVPS(仮想プライベートサーバー)の背後でプロキシさせることで、外部からのアクセスを間接的に受け付ける仕組みを構築しています。これにより、マイコンが直接TCP/IPスタックを持つ必要なく、ウェブサイトを公開することが可能になりました。
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2026-05-11 — 2026-05-14 (Electronics) (Programming)
In today's episode of "dumb things to do with an AVR microcontroller":
Does your server come with real wood?
※ 著作権に配慮し、引用は冒頭3段落までです。続きは元記事をご覧ください。